好きなピアニスト 2
glenn gould グレン グールド (1932年9月~1982年10月)カナダ
私が苦手意識でいっぱいだったバッハの曲。
グールドのバッハの演奏を聴いてから一変してしまいました。
グールドは、楽譜どうりに弾かなかったり、同じ曲を表現を変えて何度もレコーディングしたり、レパートリーも限られたものだったりします。
当時の伝え方も偏ったものがあり、かなり誤解されるようなこともありました。
もしかしたら、「クラシックのふつう」から外れているのかもしれないです。
だから何?とも思いますが・・。
音楽の勉強では、この時代のこの曲は、こう弾かなければならない・・みたいな、まぁある程度は守んないとね・・みたいなことがあります。クラシックに関しては特に。
とにかく、グールドがいなかったら私はバッハを好きになれなかったかもしれないし、バッハの素晴らしさも心からは感じられなかったと思うのです。
グールド自身もバッハに始まり、バッハに終わったと言えるほど、特別にバッハに惹かれ、沢山の曲をピアノで残してくれました。
J.S.BACH ヨハン・セバスティアン・バッハ (1685年~1750年)ドイツ
今から約300年前のヨーロッパ。
クラシック音楽の歴史を①バロック ②古典 ③ロマン ④近現代 の4つに分けるとして、バッハは①バロック時代の音楽です。
バロック時代の音楽は、ポリフォニー(独立した旋律を重ねた音楽)と通奏低音(旋律とバスからなる2声)が大きな特徴です。特徴であり、今思えば、これが苦手意識を生んでいたんですが・・
グールドの演奏でバッハを聴いていると、その複数の旋律のひとつひとつが右から左から真ん前からとあちこちから聴こえてきて、頭の中が洗濯機状態。グルングルン・・
「おもしろーい!!」
バッハを弾くときは、誰しもがポリフォニーを意識していくと思うのですが、それを感じられたのが私の場合、グールドの演奏だったということです。
もちろんそれだけではなく、音色もやさしく独自の表現を持っていて、バッハを演奏することを楽しんでいる、そんな姿からも影響を受けました。
音楽の良さを、言葉で説明するのは難しく、言えば言うほど嘘っぽくなるので、この辺でやめときます・・。
私がバッハを弾くとき、初めての曲を譜読みする時、なんとなく順番があります。
大まかに、どんな旋律なのか、どういう構成でなっているのか、どこにアーティキュレーションがあるのかなどなど、片手ずつみてみます。フンフン・・わかったつもりになって、次は両手で合わせてみるのですが、まったくその辺りでは耳から音が入ってきません。入ってこないから、もう何がなんだかわかりません・・。ここが私の苦手意識の原因でしたが、なんだかわからないけど弾き続けます。すると、突然か少しずつか、複数の旋律が左右の耳から入ってくるようになってきます。
ここからが、バッハの楽しさです!
この複数の旋律をそれぞれどう表現しようか・・
この表現するために運指はこう変えようだとか、、
拍感はこうしようとか、、高めていく過程、簡単ではないですが楽しくなってきます。
バッハは感情を前面に表現する音楽ではないので、弾いているとトランス状態になってしまうときもあったりして。
グールドとおんなじようにマネしてひいたら、ピアノの先生に直されちゃうかもしれません。そこのところは、仕方ないかも・・
「ピアノの学習」としてのバッハを、じゃあ順番にやっていきましょうか、っていうより、格段に楽しくなるはずです。
この時代の音楽、バッハってこんなにすごい曲ばかり書いた人で、300年もの間、音楽家、研究家の方たちが、そしてグールドのようなピアニストがその素晴らしさを引継いでくれていたから今、こうして触れることが出来ることに感謝しています!
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