思うように弾けなくなる不思議

 レッスンで、
 「あれ?なんか変。練習ではもう少しスムーズに弾けていたのにな。。」

  と感じたことはありませんか?


 レッスンの時には大人から子どもまでほとんどみんな

 「練習ではもっと上手に弾けたのに...」

なんて言ったりしています。

 うんうんわかりますその気持ち、私も実際自分が受けるレッスンで感じていることだから。


しかもこれ、レッスンの時だけじゃありません。

 だいぶ弾けるようになったし、よし、一度録音してみようとした時

(やったことない人は一度スマホなどで録音してみると、いろんな邪念が入ってくるのがわかります)

 いつもは一人で練習しているけど、改まって家族が聴いてくれてる時も。

 


 発表会で弾く時なんかうまくもなにも、それ以前に緊張で音がまったく聴けないなんてことが起こることも。(これは幼少期の私。。)



 ...どうしてこんなことが起こるのでしょう。



 ふたつ理由があるのかなと思います。


 ひとつは、自分のピアノとレッスンで弾くピアノが違うことによるもの。

 ピアノは他の楽器と違い、残念ながら自分専用の楽器を持ち歩くことができず、そこにある楽器を使いますね。

 ピアノが違うことで、鍵盤の重さ、タッチも変わり、空間も変わるので聴こえる音も違ってきます。

 それであれ??ってことになります。でも、これだけは慣れるしかないのかなと思います。

 何度もレッスンを受けているうちに、先生の家のピアノはうちよりも鍵盤が少し重いから・・とか、逆に軽いから・・とか、うちより響きが多いから・・・とか、

何が違うのか、それぞれのピアノの特徴を、頭で考えてから弾くことができるようになります。


 とにかく、弾きにくいとか言っていられないので。慣れていくしかない。

 いつもとは違うそのピアノの音色をよく聴いて、こういう特徴があるピアノなのねと、それぞれのピアノでよい響きで弾けるように意識しましょう。

 どんなにがんばっても、弾きづらい~!と思うピアノと出会うことも実際あるのですが・・。

 

 あとはチャンスがあるならば、いろんなピアノで弾いてみるといいと思います。

 学校のピアノ、貸し出しホールのピアノ、お友達のうちのピアノ等々・・。

 みんなそれぞれ違うはずです。

 


 もうひとつの理由がメンタルによるもの。

 


 先ほどの私の幼少期の発表会のような状態は、ピアノが違うということもあるかもしれませんが、ほとんど緊張によるものでしょう。

 見られてる緊張、聴かれている緊張、ミスしないかなという不安、反対にミスなく弾けてるとドキドキしてきちゃったり・・。


 こんな感情を私は小さいころからたくさん経験してきました。

 ここでいうのもなんですが、テニスでも同じようなことを感じて、ミスにつながったり、勝っていたのに逆転負けしたり。

 まぁ、メンタルによるものは、別にピアノに限ったことじゃなく、スポーツ全般にも大きな影響がありますよね。

 以前の大阪なおみ選手のように、メンタルをうまく操れるコーチがいたら、どうしたらいいか聞いてみたいですよ。。


 それでも、私なりに今まで生きてきた中で思う、ピアノを弾くうえでのメンタルの保ち方を少し。

 答えは簡単。というか、言うは安し・・・


 「自信は練習量と比例する」

 「弾いている時、まさにその時、どれだけ曲の中に自分が入り込んで表現や音色に意識を向けられるか」

  かなと。


 練習さえしていれば、失敗しない、ということではありません。

 だけど、自信を持って弾くことができなければ、曲の中に入り込むことはできないのです。

 そして、「入り込む」ということは、誰かに聴かれてるとかを全く意識しないほど、自分の鳴らす音しか聴こえない状態にすることです。

 人がどうではなく、自分の表現したい音だけを考えてひけるかどうか。

 そのための数回のミスはどうってことないとも思います。

 それが、緊張する場面(録音する時、人に聴かせるとき、など)を仮設定してもできるように。


 よくピアノと一体になる、という言葉をききますが、

  意識を「自分⇔ピアノ」だけの世界に。

 それができるように、とにかく何度も弾いて練習。

 要するに、魔法や思い込みでどうにかなるんだったらいいんだけど、

やっぱり近道はないわけですな。

 

 

 

 練習で演奏している時に、頭の中にどんなものがしめていますか?