指の数字12345

 前回の譜読みの大切さに続いて、今回は運指です。これもとっても大事です。


 運指とは、どの指で鍵盤を弾くのが効率がいいのか、ってことなんですが、

一番わかりやすい例でいうと、ドレミファソラシド と右手で弾くとき、親指をドに置いてから順番に弾くとソの場所で小指になり、あれ、それからどうするの?となりますね。これを解消するために、ドレミまで弾いたらミの指の形にトンネルを作り、中に親指を通してファをまた親指で弾きます。その後は指の順番どおり弾いていくとオクターブ上のドは最後の小指で弾けるようになります。

 わかりやすかったですか?? 文字で書くと必要以上にむずかしく感じますね・・  実際に隣並んで見ながらやったほうが簡単です。

 こんな風に、曲のフレーズ、切ってはならないところでスムーズに指運びを考えて弾くことを運指といいます。

そして、指には↓このように番号がついています。これを「指番号」といいます。

 左右の手の親指から1、人差し指が2、中指が3、薬指が4、小指が5、となります。

 下の楽譜には音符の上や下に数字が書いてありますが、これが「運指番号」です。

この楽譜を校訂した人がこの指で弾くとうまく弾けますよ、と提案している指番号です。

 ピアノでは、この運指は習い始めの最初が肝心だと考えます。

基本的な運指は決まっているからです。上に説明したようなドレミファソラシドや黒鍵を含んだものなど、基本的な運指は何度も練習して指に覚えてもらいましょう。

 また、この運指は上の楽譜のように書かれていることも多いのですが、これは絶対じゃありません。弾く人全員に共通するものではないのです。あの人がこうやって弾いているから私も同じ指で弾こうと思ってもうまく弾けないこともあります。

 手の大きさ、柔軟さ、機敏さなど人それぞれですから、ひとりひとりにあった運指を考えなくてはいけないのです。

 より弾きやすく、音色のことを考えて。


 私の場合、譜読みの2回目くらいから、この運指も考えながら弾いてみます。

難しい箇所は楽譜に書き込み、いくつか弾き比べてみたり、弾く速さを変えてみたりしながら・・。一度決めた運指も、弾いている間にやっぱり弾きにくいと思って変えることもありますが、それに気づくのも早いほうがいいです。指が覚えてしまう前に。

 それに、速度の速い曲は要注意です。譜読みの段階では指定どおりの速度で弾くことはなかなかむずかしいのですが、ゆっくりな状態で弾けると思って考えた運指が、いよいよテンポアップする時に、「この指じゃ弾けなーい」となる場合もあります。最終的に弾くテンポを見据えてもっとも良い運指を考える必要がありますね。

 新しい曲に入ったときには、また新たな気持ちでその曲に合った運指を考える。

運指を考える時間も、楽しいものですよ。