好きなピアニスト 3

 arthur and lucas jussen   アルトゥール&ルーカス ユッセン (1996,1993~) オランダ

 最初に彼らを知ったのは、子どもの頃のブラームスの連弾の動画でした。あまりにも感性と息がぴったりで、子どもなのにこれはただ者じゃないかも・・と思い、いろいろ聴いていくうちにこの動画にたどり着きました。

 もともと私はこのシューベルトのD940の幻想曲が大好きでして、いろんな人で聴いていましたが弾き方によっては好きじゃなくなるという、かなりこだわりのある曲だったんです。

 この兄弟の表現を聴いたときは、「見つけちゃった!」と感激でした。

 連弾というのは、お互いの技術や表現のぶつけ合いじゃなくて(時々そう感じてしまうピアニストもいるんです・・)2人で1つの音楽を作っていくものだと常々思っています。

 すごくダイナミックな表現ではないけれども、音色の優しさ、セコンドが脇役にまわらない表現、ほとんどの連弾曲を暗譜で弾くところやテンポルバートの入れる箇所や少なさなどなど、私好み。

 

 そしてもうひとつ、、

 実は、つい1,2年前までモーツァルトがいまいちわからなかったんです。

わかりたい!とは思い、弾いてみたり聴いてみたりしてもなかなか・・・響いてこない作曲家でした。昔に観た「アマデウス」という映画の影響も少なからずあるかも、、、

 モーツァルトで有名なピアニストの演奏を聴いても・・ピンと来ず。

 それがこの2人の弾くモーツァルトの連弾曲を聴いて、ちょっと開けてきました。

「ん?これってもしかしたら私の中のモーツァルトのイメージにぴったりかも・・」と。

 若さを感じる演奏、だからといって行き過ぎた表現をしない、スケールなどがすべりすぎない、子どものころのボルフェルと姉のナンネルが楽しんでいたことを連想してしまい、興味をそそられ、それからモーツァルトに関する本を何冊か読んでいくうちに、すっかりモーツァルトの曲もモーツァルトも大好きになっていました。

 そのきっかけをつくってくれたのも、この2人の演奏だったのです。

 いや、それにしても「アマデウス」の影響力って。。。

 あの中に描かれているイメージはほんの一部であって、やっぱり文献やモーツァルトの手紙などの本を読むと、今でも愛されるモーツァルトがわかる気がします。


 兄弟のピアノデュオはたくさんいますが、その中でも好きなピアニストです。この2人の魅力はやっぱり連弾曲や2台ピアノにあると思っています。ソロもたくさん弾いてはいますが・・。

 近頃のレパートリーでは現代曲が多いみたいです。

 私には、まだわからない現代曲・・。この2人の演奏でわかるようになるのか?

 まだまだ若いし、これからも楽しみなピアニストです。