聖歌隊

 先日、こちらの曲を紹介しているサイトを見つけました。

 モーツァルトは、当時、この曲を聴いただけで覚え、後に楽譜におこしたと。

 それがきっかけとなり、歌い継がれ現在も合唱団などでは有名なアカペラ合唱曲であるということなのですが、


 まずは、お聴きください。

 Miserere  ミゼレーレ 

 少し調べてみましたら、この曲はバッハよりも100年程前の時代に生きた、司祭で作曲家のグレゴリオ・アレグリ(1582-1652)が作曲したもので、複写を禁じ、システィーナ礼拝堂の典礼でのみ歌われていたそうです。

 外に持ち出せない音楽、ということは現地に行ってしか聴けないということ。楽譜を出版できないので離れた多くの人には知りえない、歌えないということです。


 まあ、これだけ、前の話になると噂や諸説というものがついてまわるとは思うのですが...


 アレグリの時代が過ぎ、14歳のモーツァルトが教会で直接聴いて、後になってほぼ正確に楽譜にしたのだそう。ホントだったらすごい。

 何がすごいのかというと、この曲が9声からなる合唱曲なのです。

 9つの旋律が重なりあって出来ている曲を聴いて覚えてしまう、モーツァルト...

 でも、モーツァルトのような天才ならありえる話かもしれません。

 9声って、、歌うのも難しそう。


 最初この曲を聴いた時に、この合唱団の歌い方が好きだなぁと思ったので、こちらも調べてみました。

 イギリスの「ケンブリッジ キングス カレッジ合唱団」

 ケンブリッジ大学内の礼拝堂が活動拠点で、9~13歳の少年たち、大学生、オルガン奏者からなる、500年以上の歴史を持つ伝統の合唱団。

 

 少年合唱団と言えば、ウィーン少年合唱団が有名ですね。(正直これくらいしか知らなかった..)

 ウィーンは結構頻繁に来日もしているようですが、キングスカレッジの合唱団は子どもたちの学業を優先するため、ほとんどイギリス国外には出ず、この動画にもあるステンドグラスがきれいな細長い形の歴史ある大学内のチャペルで歌うことがほとんどだそうです。

 今まで日本で聴けることはなかったのかな? でも、聴くなら日本のホールじゃなくて、こんな素敵な教会で聴いてみたいなぁ。

  

 合唱もピアノと同じで、若いからこその良さがありますね。

 素朴さ、率直さ、無垢さ。大人になって付いてくるいろんなものがない。

 その中で、このミゼレーレのボーイソプラノのソロを歌う子の歌声が好きです。それに、低音を歌う大学生の柔らかい声も、誰かが突飛しているでなく、全体が混ざり合っているバランスも、私の好みでした。

 この頃の少年は、変声期がくるかこないかのところなので、何年も長い間合唱団にいることは出来ませんから、次々メンバーが入れ替わっていきます。

 違う子がパートを引き継いでいくので、その年その年で、少しずつ音楽的に変わっていますね。

 また、それがいいのでしょう。

 この合唱団は、毎年クリスマスイブに、この教会でコンサートをしているんだそうです。

 この男の子が活躍していたのは2013のようですね。

 この曲は、毎年のクリスマスキャロルで何十年も歌われていて、毎年ソロを歌う子が変わり、声や歌い方がそれぞれに違うので、地元の方は毎年楽しみでしょうね~

 興味のある方は、この頃のクリスマスコンサートに向けたドキュメンタリー↓(字幕ないけど)もどうぞ。他にもたくさんの動画がアップされています。


 




 

 歌は、すべての音楽の基本です。

 すべての楽器は歌うように演奏することを求められます。

 

 そんなこと言う私は、子どもの頃、ピアノのレッスンで音名で歌うことはとても嫌だった覚えがあります。

 恥ずかしかったっていうのもあったけど、なんでだったのかなぁ。

 雰囲気だったのか・・

 

 でも、ピアノは特に小さいうちは歌うことは大事です。

 恥ずかしかったら一緒に歌おう!

 音がずれてもいい! 笑   

 


 シューベルトは10代の頃、今のウィーン少年合唱団の起源でもある、聖歌隊に入っていました。

 歌もがんばっていたのでしょうが、それよりも溢れてくる音楽を楽譜にすることに大忙しだったみたいですね。

 


 1825年 シューベルト28才頃の両親への手紙から・・

「僕は自作の変奏曲を悪くない出来で演奏できたと思います。
というのも何人かの人に、僕の指が鍵盤を歌声に変えたと言われたからです。
もしそれが本当なら、すごく嬉しいです。
だって、超一流のピアニストでもよくやる、あの忌々しい、叩くような弾き方には耐えられないからです。あれでは耳も心も喜びません。」

 

 シューベルトのピアノ曲には、歌心がたっぷり詰まっています。