モーツァルトの手紙 

 飾りすぎない若さあるユッセン兄弟が弾く2台のためのピアノ協奏曲を聴いて遅ればせながら、モーツァルトに目覚めたことは、以前に記事にしました。

 好きになると、とことん知りたくなるタイプなので、図書館でモーツァルトにまつわる専門書をいろいろと読みました。
 中でも、モーツァルトの書簡の本は、印象に残っています。
 読みながら「うわっこんなこというひとだったんだ…」と、衝撃を受け、一旦目を伏せたくなるような言葉もでてきます。すべてが冗談のようで、でもその中には本音がかくれている、という感じ。
 これは、シューベルトやショパン、ブラームスたち、他の作曲家の書簡にはない文面です。

 一番個性的な手紙の内容なのです。


 正直言って、びっくりしましたし、こんなお下劣な内容を何百年もあとに、日本だけでなく全世界の人に見られるなんて、夢にも思わないモーツァルトがちょっとだけかわいそう…。
 

 ただ、私はこの書簡を読んだことで更にモーツァルトへの愛情が芽生えてしまいました。
 この人間像から造り出される音楽のギャップ。
 それが、時に親近感と切なさを感じさせてくれるのです。

 ただの天才、というだけではない、悲しみもたくさんあっただろう人生。

 いつの時代も才能ある人を蹴落とそうとする人もいて、けして順風満帆の人生ではなかったけれどその中でも自分の才能を自負することを忘れなかった。

 ・・・モーツァルトも普通の人間だったのだな、と。

 食わず嫌いで、近寄ろうともしなかった私の、モーツァルトに対する気持ち、イメージを180度変えてくれました。

 ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト  1756年1月27日~1791年12月5日  35歳没


 モーツァルトの晩年の出来事や、死後のことなど、謎なこともたくさんあります。

謎は謎のまま、わからないまま、そっとしておいていいような気がします。

今となっては、すべては推測でしかないのですから。


いろいろ出版されていますが、読みやすかったです。