表現を楽しむ~pf~

 今日は、ピアノの表現のひとつ、「音の大きさ」について。

 弾いてみたい曲の楽譜を見ると、「p」(ピアノ)弱く、「f」(フォルテ)強く、という強弱記号がありますね。

音の強弱は下のように順番があります。

↑強い

「fffフォルティッシッシモ」

「ffフォルティッシモ」

「fフォルテ」

「mfメッゾフォルテ」

「mpメッゾピアノ」

「pピアノ」

「ppピアニッシモ」

「pppピアニッシッシモ」

↓弱い


 学校のテストで、「p」を小さく「f」を大きくと書いてしまうとバツになってしまうと思うのでご注意を。

 「<」(クレッシェンド)や「>」(デクレッシェンド)などなど音の大きさの変化を促すものも他にもいろいろあります。


 習い始めの導入期には音符を読むこと、手の使い方などなど、覚えることもたくさんなので、楽譜に書かれている音符をしっかりと弾けたり、大小の意味が理解できればOKです。

 ただ、慣れてきて、ある程度の小曲を弾くようになってきたら、ただ音符を弾けたら終わり、ではなくて、ここからが本当の「お楽しみ」なのです。

 譜読みをし、なんとかテンポどうりに弾けるようになってきたら、ここからスタートです。


 今のピアノは、「音をつくる楽器」であることは、今までも何度か書いてきました。


 

 「p」って書いてあるから弱く弾くのかな。

 「f」って書いてあったら、強く弾くのかな。

 そう書いてある、、だからってそれだけで、いいのかな?

 だいたい「f」の大きさって? 

  楽譜に書いてあることは、作曲者が書き込んだものもあれば、校訂者が書き入れたものもあります。

 作曲者が書いたものは、忠実に守らなくちゃいけない!と思ってしまいますね。

 もちろん、それは大事ですし、コンクールや試験などでは、楽譜どうりに弾くことを求められますから、そうしなければならない事もあります。

 けれど、私が思うに、趣味で弾きたい場合、必ずしもこだわることではないと思うのです。 

 かといって、何もせず、ただまっ平らな弾き方をしていいわけではない。

  

 まず、今弾いている1曲。

 一番好きな所はどのフレーズ、または音でしょう?

 一番聴かせたいフレーズ、または音は?

 その場所は、小さい音で聴かせたい?大きくダイナミックに聴かせたい?

 1曲を大きく捉えることから入って、どこに一番の頂点をもっていきたい?

 その場面に、何を思い浮かべるかな。


 自分でも考えてみよう。


 「p」や「f」などが書かれていないところは、じゃあどう表現するのかな・・。

  何も考えずにただ弾いていいところではないんですね。


 もっと極端なことを言ったら、自分で考えるという点では、 

 楽譜がたとえ、「f」とあっても、

「私はpで弾きたい!」

「このフレーズ、ここで切りたい」

「クレシェンドだけど、デクレシェンドで弾きたい!」

 なんていう確固たる意見があってもOKです。

 作曲家が、絶対ここはこう弾いて!と訴えているものもあるのですが・・・。


 でも、楽譜が本来どう書かれてあるのか分かった上で、自分はこうしたい!と表現すること、私のレッスンでは大歓迎です!

 

 楽譜に書かれている強弱記号というのは、機械的なものではなく、

 大事なのは、音楽的に表現するためには、個々自分で考えなければならないということ。

 それに自信をもって弾けば、個性になります。


 そんなふうに一緒に考えながら、それぞれ自分だけの音楽を作っていくお手伝いをしていきたいと思っています。


 また、それがむつかしいことであり、一番楽しいことなのです。