練習嫌い だけど塵も積もれば②

 練習嫌いのお子さん...

 これはきっと多くの親御さんの永遠の悩みの種ではないでしょうか。

 


 実際私も息子で経験済みですから、よーくわかりますし、自分も子供の頃はどうだったか。

 「練習しなくていいの?」「練習して」って子供に言いたくない!

 言いたくないから辞めさせようか・・・と幾度悩んだことか・・・。

 いろいろ試行錯誤して働きかけても、練習はほぼ毎日のこと。

 ですから、一筋縄ではいかないことはもう、重々承知の上でのこの記事です・・。


 今回のテーマは「練習」

 最初からズバッと言ってしまいますが、結論から言うと、

 ピアノという楽器は「練習しなければ上達は難しい」です。

 

 まず、練習をしている子としていない子では進度がかなり変わる。

 うさぎとかめのお話がありますね。あれと一緒で、才能が垣間見れたとしても、練習嫌いでほとんど練習しない子と、ピアノ練習が好きでゆっくりだけどコンスタントにできる子では、後者の進歩が大きくなります。

 毎日15分練習をしているとレッスンの日を除いて15分×6日=90分

 週に2,3回10分しかしないと10分×3回=30分

 1週間だけで1時間の差があります。

 直近だけをみればたいした差を感じなくても、これが1年だったら?これが5年だったら?

 ものすごい差が出てきます。

 もちろん、時間だけの問題ではないですが、どれだけ時間を割いてきたかは、進度やレベルを大きく左右してきます。

 たとえ趣味のピアノであっても、練習ってやっぱり大事なのです。


 


 だけどだけど、練習が大好きでたまらない子供は、ほんの一握り。

 それも知っています。


 実際、今の小学生は、毎日、山のように宿題が出て、学校もハードスケジュール。

 他の習い事もやらせてあげたいし、遊びもさせてあげたい。

 高学年からは部活も多くなり、忙しい小学生が多いのも知っています。

 

 私の息子の時も感じて、自分の時とどうしても比べてしまうので、担任の先生に「宿題、多くないですか?」と言ってしまったこともあります。まるで受験生!?とびっくりしたもので...。

 勉強は確かに大事なことですが、子供の頃はそれだけになっているのは私は抵抗があったんですね。


 話はそれましたが。

 そんな忙しいスケジュールの中で、ピアノをどう練習したらいいのか。

 私がおすすめしたいのは、「合間練習」です。

 「合間」なので、1回あたりの時間は短く、5~10分程度とします。

 そして、ピアノは開けたまま、楽譜もすべて広げた状態で楽譜台に置きっぱなし。

 できればピアノを置く場所も通る場所やいつもいる部屋に置くともっとgood!

 さ、やるぞ!という感じではなく、通りすがりに寄り道して弾く感じです。

 

 宿題してから遊ぶ合間に10分、ご飯を食べる前の合間に5分、お風呂に入る前の合間に5分。

 ただし、この短い間の集中力は必要です。でも、たった5分の集中力。

 気持ちを切り替えて集中する、この力は、ピアノだけに留まらず、将来どんな時にも活かされる力です。

 これをすると、1日にもう20分したことになります。

 だけど、何回もしたくない!って日でも最初の10分だけでもいいわけです。


 ピアノの上達には、1週間のうち1回だけ1時間やるよりも、1日10分でもいいから毎日やるほうが断然効果があります。


 習慣がなかなかつかない場合は、5分から始めてみましょう。

 通りすがりの5分集中!

 それから、だんだんと時間を延ばしていけるとバッチリなんだけどなぁ。

 小さな練習時間は塵かもしれないけど、長い時間を経てつもり積もって山となります。

 

 そしてもうひとつ大事なことが。

 小学生のうちの(特に低中学年)ピアノの練習は、お母さんの言葉がけや手助けが必要不可欠だということ。

 練習に常にそばにいていろいろ教えてあげる必要はありません。

 どちらかというと、子どもをのせてあげる役割なのですが、これが結構大きいのです。  だけど親子故にむずかしい。。

 のせてあげるにはどうしたらいいか。第一に、ピンポイントで褒めることです。

 5分でも練習したら。練習が2,3日続いたら。ミスなく弾けたら。弾けなかったところが弾けたら。何度も苦手な所を練習したら。きれいな音で弾けたら。指の形を気にして弾けたら。

 何か他のものができていなくても、褒めるところはピンポイントで。

 どの習い事でもそうだと思いますが、できれば毎日練習してほしいピアノには大きな影響があります。

 

 息子の時は、とうとう最後まで自発的な練習もあまりなかったですが、それでも短い練習とピアノを習い続けて、中学で部活に入ると同時に辞めてしまいました。

 練習は嫌いでもピアノは好きだったと思います。長年やっていた分、基礎は学んで楽しんで弾けるようにはなりました。

 その後の年齢は、自発的にやりたいと思わなくては続きません。本人のやる気次第です。

 いつかまた、やってみたいと思った時に、ピアノを弾いてくれることを密かに楽しみにしてはいますが、どうでしょうね。


 中学でもピアノを続けている子はいます。そんな子は更にレベルアップしていきます。

 でも、もうしたくない子もいる。

 もったいないけど、他の分野でがんばってもらえれば、それはそれで仕方のないことです。


 

 

 ここまで、練習がピアノにとって大事な上達のカギであることをお話してきました。


 でも、練習大好きな子、得意げに弾いてくれる子、遊んじゃった~、やってなーいっていう子、様々です。

 


 レッスンでは、練習をしてきて自信満々に弾いてくれる時には、さらに上をめざすテクニックを。

 練習があまりできていなかった時には、家での練習の延長で何回も弾いてもらい、練習の仕方を伝えられるようにもしています。


 「練習は嫌いでもピアノは好き」っていう子がほとんどなんじゃないかと思います。

 

 だから最終的には、ピアノはそれぞれのペースでやっていくことが最優先だと思っています。

 それを第一に考えながら、ピアノを弾けるようになるまでは長い期間を要しますので、

徐々に練習に対する意識も高めていけるようになることを目指しましょう。