レッスン日9とゴルドベルグ

 なかなか更新出来ず、ひと月前のレッスンブログ以来になってしまいました。


 半年以上見ていただいていたベートーヴェンはひとまず、終了。

でも、ここからどれだけ弾き込んでいくかで完成度が変わるのです。

ここからが大事・・・なのですが、今は、たくさんの曲を勉強したい、というのもあって、

ひとまずおしまいということに。


 とにかく、弾きたい曲が多すぎる。そして、きっと生きてる間には全部弾ききれない。

それに、弾きたい曲を弾ききる技術に到達できるかもわからない。


 だから、弾き続けます。マイペースで。楽しく。

 次の曲のひとつは、シューマン。

 バロック・古典でないので、なかなか入り込めない域なのですが、たまにロマン派を弾くことで新しいことも発見するはず。

 がんばるぞ!


さて、今日の1曲は、バッハのゴルドベルグ変奏曲。

先日のEテレのららら・・・でも取り上げられていましたね。

この曲は、バッハの時代、当時はチェンバロで弾かれ、ものすごく緻密につくられている素晴らしい曲なのですが、

詳しいことはここではさておいて・・・。


ゴルドベルグ変奏曲「アリア」

 ゴルドベルグと言えば、いろんな意味でグールドが有名なのですが、やっぱりここでもグールドです。


 そして注目したいのが、グールドがまだ20代の若い頃録音したアリアと、50に差し掛かる間際、亡くなる直前に録音したアリアの解釈の違いです。

 この動画は、アリアと第15変奏だけピックアップして聴き比べをしているようです。

 アリアを聴くだけでも、ただテンポを変えているという物理的なものだけではなくて、

もっと内面的に感情がまるで変化してしまったかのように聴こえます。

 グールドという人は、こうしてこの曲だけではなくたくさんの曲を、何通りもの解釈で弾いています。

 特にグールドは、ライブとスタジオレコーディングでも意図的に変えていたような気がします。


 バッハの協奏曲BWV1052。

これも若い頃のライブ録音がいくつも残っているのですが、それぞれにテンポが違うし、いくつか声部があるうちの一番聴かせる旋律もちょこちょこと変えている。

これはないでしょ、って思うほど崩壊寸前の速さで弾いているものもある・・・。


年齢を重ねて解釈が変わる場合もあるし、その日の気分で変えることもある。

これってグールドだから許されることでしょうか。

コンクールや試験に縛られない愛好者だったら誰でもやっていいよね。クラシックだって。


この曲は、練りに練ってこれだけ!って表現を確立することも大事だけど、気分で遊んでみるのも楽しい。

正解なんてないですから。

 そして、こうしていろいろな解釈(弾き方)で残してくれていたから、いまでも楽しく聴くことができます。

 「あの時のあの弾き方がいいよねっ」って。