気になるピアニスト2

Beatrice  Rana  ベアトリーチェ ラナ  (イタリア 1993~) 

 

バッハのコンチェルト1番、私の大好きな曲ですが、グールド以外に好きだなと思える演奏になかなか出会いませんでした。

 こちらのベアトリーチェの演奏は、始め聴いた時 早い!と思ったけどそのままずっとのめりこんでおもしろく聴けました。ただ早いだけって演奏も多いもんで・・。  

 バッハの曲は、表現を付けすぎては嫌だし、かといってただリズムを刻めばいいものでもない。

 ほどよくリズムが崩れる部分もあるけれど、それでも拍感は崩れることなく。

 カッコいい曲です。


 バッハは、バロック時代の作曲家ですが、右手はメロディー左手は伴奏というものではなく、ポリフォニー(いくつものメロディーが絡み合ってできている曲)であることが特徴です。

 右も左もメロディーなのです。

  ですから、始めはとてもとっつきにくく、簡単な楽譜のわりに両手で弾くのは容易ではありません。

 弾くという動作だけでなく、耳も大事です。

 いくつかのメロディーを聞き分けなければなりません。

 また、それができないと各声部を歌わせるということがむずかしくなります。



 私は実は、子どもの頃にバッハにあまり触れてきませんでした。

 けれども、こんなおもしろいポリフォニーの曲を、できれば子どもの頃にもっとたくさん触れておきたかったな・・という思いがあります。

 その反動で、今はバッハは必ず何か1曲はレッスンして頂いています。

 きっと生きてる間に全部は弾けないだろうけど、そのつもりで頑張ってます。


 子どもの頃に、この多声を聴く耳を育てることは、そのあとの自分の好きな曲を弾く時、例えば、ショパンでも、もっと違う分野のポピュラー曲であっても、必ず活かされると感じています。

 どんなタイプの曲を弾こうが、すべての音に耳を敏感に傾けられるようになるはずです。

 弾くことだけではなく、ポリフォニーの曲を聴くだけでも耳を育てるのに大いに役立ちます。

 

 こちらは、バッハと同時期のパッヘルベル。

 バロックの時期はこうしたポリフォニーの曲が主流でした。

 「カノン」はメロディーの追いかけっこですが(詳しくは以前の記事を

 動画サイトに(途中までですが)ありました!

 これ全部載せて欲しい!

 時々、2番目のメロディー(緑ちゃん)、3番目のメロディー(青ちゃん)にも目と耳を傾けて聴いてみてください。

 音の遊びのようですね♪♪♪

 一度、ポリフォニーの楽しさを知ったら、やみつきなのです。


 ポリフォニーの曲に入っていけるレベルになった子どもたちにはぜひぜひ、やさしい曲からおすすめしていきたいと思ってます!