オーケストラとピアノ

 私はピアノの音が一番好きなので、ピアノ曲の他にピアノ協奏曲もよく聴きます。

 ですが、交響曲や室内楽、オペラや歌曲などなど、他のクラシックの分野はピアノに比べて聴くことがとても少ないです。

 ピアノの曲を弾くときに、歌のフレーズや息づかい、管弦楽器の音色をヒントにすることはとても多いので、勉強のためにはもっと聴かなければならないのかな・・・とは思います。

 でも、好きなものは聴けるけれど、好きじゃないと聴いていても入っていかない。

 以前ご紹介した「ピアノと脳」の本でもありましたが、

 長く勉強している楽器は、たくさんの楽器の中で演奏していてもすぐに聞き分けて、その楽器だけの音色を他の楽器と区別して聴こえるといいます。ピアノの人はピアノを、フルートの人はフルートを、コントラバスの人はコントラバスの音色をピックアップしてきいてしまうそうです。

 それぞれの楽器で、その一音をどう鳴らすかを長く追求し試行錯誤してるのですから、ピアノの音に反応してしまうのは、まぁ、当たり前といえば当たり前ですが・・。


 交響曲など、ピアノの音が入っていないと、なんだかぼやけて、どこに焦点をあてて聴いたらいいのかわからなくなってきます。

 これも、他の楽器を聴く私の耳が育ってないからかもしれないですね。


 そんな私でも、ピアノ協奏曲を聴くときは、オーケストラの音色にこだわってしまいます。

 そしてピアノの音に対して、オーケストラの音色もよく聴こえてくる不思議。

 協奏曲を聴いて感動するときは、ピアニストとオケがお互いにひきたて合っていると感じます。

 以前も記事にしました「モーツァルトの協奏曲」での、ケンプとシュトゥットガルトの演奏も。

 グールドとバーンスタインのベートーヴェンも。

   ↑(これもいつか記事にしたい)


 ネヴィルマリナーとアカデミー室内管弦楽団(アカデミー・オブ・セント・マーティン・イン・ザ・フィールズ)のモーツァルトは、好きな演奏です。
 マリナーが創立した楽団で1959年に初演奏を行い、実質的には(録音演奏)メンバーを入れ替えながら最後までマリナーが指揮をしてきたというので、55年以上になる。
 その間、「アマデウス」や「タイタニック」などの映画音楽も担当しました。
 マリナーは、去年2016年に92歳で亡くなりました。亡くなった後もアカデミー室内管弦楽団の音は残ってほしいけど、指揮者が変われば変化していくのでしょうね。
 それほど知識がなくても、リアルタイムではなかった音楽家でも、亡くなったと知ると、こんなつもりじゃないのに、悲しくなるのは・・
 きっと音楽が残っているからなのだと思います。
 アバドの時も、中村紘子さんのときも・・。
 
 
 おじいちゃんになったマリナーは、穏和で人が良さそう。

 調べてみたら、ものすごい数の録音を残したのですね。びっくりしました。
 モーツァルトのピアノ協奏曲は、ブレンデルと全曲やっているそうですが。
 ・・なかなか手が動きません・・

 ひ孫ほども離れているユッセン兄弟との協奏曲。
 亡くなる1年前に収録発売されたアルバムのプロモーションです。
 本当は音源を載せたいのですが、今はないようなので・・。

 これがまた、ユッセンたちの音を壊さずにオケが主張するところもあり、相性がいいなと思いました。

 このアルバムの中では、Piano Concerto No.10 K.365 の3楽章が私の一押しです。

 マリナー&アカデミーと演奏しているピアニストで・・と探したら、「アマデウス」のサウンドトラックに入っているものを見つけました。

 

 

 でも、やっぱり好きなのは、ユッセンとマリナーの演奏です。

 テンポも微妙に違います。

 

 ピアニストとオーケストラ、お互いを助け合う?

 違うな・・  お互いを高め合う

 相性がいい。

 

 演奏している人は、きっと合うと気持ちいいんだろうなぁ。